2008/06/23

ご 回 答 者 
患者様情報 年齢:48歳、性別:女性 ID:0245

  質 問  

経過
6/16 右の下67部位に1ピースのオペを実施(術中に関しては特に問題なし)
6/17 SP(この時点で術部位経過は良好で特に問題なし)
6/20 SP(この時点でも特に問題なし)
と、術後の初期固定が良好で切開部分も、炎症など無く、良好でしたが、1週間後の本日(6/23)抜糸時の確認では、7番の1本のみに、微量に動揺が有るように感じます。患者さんは、若干横からの圧力時に違和感的な痛みも訴えてきました。
念のため「消炎剤と抗生剤」を投与して1週間の観察期間を指示して帰宅させましたが、佐藤先生の判断と今後の対処方法についてご助言をお願いします。

  回 答  

抜糸後の若干の痛みと動揺で、一番に注意するのは、対咬歯とのクリアランスです。クリアランスは5mmぐらい十分とってください。次はプラークコントロールです。歯肉縁下にもプラークありますので、過酸化水素水の綿球などで丁寧に清掃してください。また、探針で注意深くポケット部のよごれ、特にこびりついた物があれば、カリカリ取れる場合もあります。
また、不用意に咬まないこと(厚みと硬さのあるもの)。完全でなくとも圧がかかる場合があります。

以上のことをもう一度確認してください。ただし、術後1週間ですので、そんなにあわてなくとも良いと思います。AQBのすぐれたコーティングにより、そのうちしっかりとした固定が得られることの方が多いと思います。
また、6番の方がしっかりしてるなら、咬合しないように暫間固定するのもいいでしょう。その場合プラークコントロールをしっかりとやってください。

  質 問  

回答、ありがとうございます。
6/30、症状確認のため患者さんが来院しましたので、ご報告いたします。

残念ですが、症状に改善は無いようです。
しかし、動揺も僅かな微動のままで悪化も見られません。
痛みに関しては、感覚的ですが「改善」と言えない程度の微妙なところで、インプラントに触れなければ痛くないようです。

手前の6番のインプラントは順調に推移しています。

対咬歯とのクリアランスですが、元々そんなに距離が無いので補綴の事を考えて3mm程度は確実に確保しています。
5mmも離すと補綴の支台として短すぎて脱離しやすくなる傾向を考えると出来ません。
プラークコントロールは、糸が無くなったので十分に出来ています。
ポケットも特に問題になるような感触は有りません。

次回まで、患者さんの都合で、少し期間が有ります。
その間来院が不可能との事で、プラークコントロールの確認が出来ないので、暫間固定については「次回に同様な症状の場合」に製作してみます。
今回は5日分のみ追加投薬(抗生剤と消炎剤)しました。

質問ですが、もし、万が一インプラントを撤去しなくてはならないような場合は早く着手した方が良いのでしょうか?
今回の状態での、現時点では撤去は時期尚早とは思いますが、このまま改善しない場合なら、どの程度の日数、或いはその症状で見切りをつけるべきなのでしょうか?

  回 答  

この様な症状では、撤去は早いと思います。初期固定が獲得できるのは概ね1ヶ月はかかると思います。しばらく様子を見ましょう。ダメな場合自然に抜けて来ることもあります。また、排膿や痛みなどの症状が強くでる場合も失敗と思います。骨の吸収がX線で確認出来、垂直的に動揺がある場合もダメでしょう。

軽度の動揺であれば自然に治癒してくれることも期待できます。炭酸ガスレーザーなどを利用するのも効果があります。(ただし半導体やヤグレーザーはだめです)いずれにしろ、もう少し様子をみましょう。

  質 問  

7/15、患者さんの都合で本日まで、放置状態でした。
状態は改善も悪化も進展しないままの状態でした。
(痛みについてはほとんど無いのですが、やはり手指による側方圧に対して反応があります。打診のような一瞬の圧力には反応しません。ただ、打診音は相変わらず鈍い音です)
改善しないのが不安の種で、しかも「大丈夫」と言いながら長引くと、不信感に繋がるような負い目も感じ始めています。

デンタルをデジカメで撮影した物を添付いたします。
若干、問題のインプラント先端方向に黒く撮影される部分が確認できます。
前回のアドバイスに従って、手前の良好なインプラントと連結の形でTEKを製作して、連結固定をし、4日分の消炎剤と抗生剤を投与しました。
なお、TEKはインプラントの咬合面側と軸側面をカバーする程度の大きさで、咬合もさせていませんし、ブラッシングもしやすい、連結固定のみを目的とする形の物です。

これで改善してくれると良いのですが。
経過の良い経験数が殆どのAQBで、約1ヶ月もこの状態と言う事がすごく不安です。

改めて質問ですが、この連結した状態でどの程度経過観察を予定するのが普通なのでしょうか。
状態にもよると思いますが、目安となる期間が有ればお教えください。

  回 答  

メーカーでは術後2ヶ月を目安としていますので、2ヶ月まではそのまま経過を見て良いと思います。たいていの場合、それぐらいで、良好な結果が得られると思います。
もし、それでもダメな場合は、私の場合、炭酸ガスレーザーをあてたりしながら、清掃の頻度を多目にして、3ヶ月ぐらいは、経過を見ます。ダメな場合は動揺が強くなって、自然に取れてくる場合が多いです。そのことをお話して、「その場合無料でやり直しいたします」と言っておくと患者さんも安心します。

  質 問  

7/23、来院時の状態です。動揺については変化なしの「微動揺」でインプラントへの打診では、縦方向は無いが横方向については打診痛がある状態(感覚では若干「改善」しているように感じた)で、その時の音は、やはり鈍い濁音でした。
患者さんも気にしているので、佐藤先生の説明を流用しました。

さて、本日8/11に来院、仮歯を除去し確認しました所、動揺が消失し打診痛も消失、 異常音等も消失していました。
特に打診時の「音」が綺麗な「コンコン」という『明らかに骨と一体化』的な音へと変化しました。

今後の予定ですが、念のため8/26にもう一度確認し連結固定目的の仮歯を除去、後日に最終印象とするつもりです。

長々と相談に対応してもらいまして、ありがとうございました。
この「オンラインサポート」が無ければ、不安な日々を過ごしたのだろうと思います。
不安は不安ですが、文字通り「サポート」となりました。

最後になりますが、補綴物は連結の方が良いですよね?
最初から本着をすべきか、仮着にすべきか?

その辺はどう考えたら良いのでしょうか?

  回 答  

今回の場合に限らず、補綴物は連結の方が安心ですね。そして仮着でなく、本着をお勧めします。私の場合、昔は良く仮着にしたのですが、問題がなくセットしようとして、取れなくなって困った例が多く、最近はあまり仮着しません。
どうしても不安な場合はワセリンなどを混ぜて取れやすくすることをお勧めします。それにしても、しっかりと固定されて良かったですね。

  質問者  

その後の状況もしっかり固定されているようで、このまま本印象へと移行できそうです。

今回、私にとっては今までに無い意外な経験をしました。
今までAQB1ピースで、頬小帯の高位付着部位での植立により初期固定確認後に感染して動揺が出現、結局脱落撤去した場合を除いて、動揺が認められた症例が無かったので、たいへん不安でした。

他の通常時でも動揺があって2ヶ月以内程度で動揺が消失して良好になる。

そんな経験がコンスタントであったなら不安は無かったと思いますが、通常は術後の初期固定が良好で動揺が無かったために、私にとってはイレギュラー的な経験でした。

今回の事で、益々AQBに対する信頼が太くなったと思います。

先生のサポートが大変心強く感じました。
ありがとうございました。

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