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 メタボリックシンドロームなど成人病が注目される昨今ですが、肥満との関係が報告されている歯周病は ※(1)、インプラント治療においてもますます、注意すべき疾患となっています。 今回は歯周病学がご専門で、この秋発刊予定のAQB書籍においても歯周疾患の原稿をご執筆いただいている東京医科歯科大学の和泉雄一先生にインプラント治療における歯周疾患へのアプローチについて、お話を伺いました。 感染防止に貢献するAQBの支台部における独自の技術をより生かす予後管理についても伺いました。



術前の完全な治療がサバイバルレート向上のカギ

Q :歯周病の現状について教えてください。

 和泉先生(以下和泉) 日本人の歯周病の罹患率は8割程度と言われます。 そのうち7〜8割が軽度の歯周病、重度の患者さんは1割程度と予測されます。 4?以上の歯周ポケットの保有者を年齢別にみると(図1)、45歳以降で高い数字を示しています。 インプラント治療の適応症例は40歳以降の患者さんが多いですから、歯周病の患者さんと層がちょうど重なります。 歯周治療はインプラントを施術する先生にとって避けて通れない治療でしょうね。

Q :歯周病の患者さんがどの程度治癒すればインプラントを施術してもよいのでしょうか。

 和泉 歯周病菌は口腔内の常在菌です。 咽頭、舌表面などにも潜んでおり、環境の変化によりアクティブに転じ、口腔内の他部位に感染します。
 『インプラント周囲炎における細菌の組成は、口腔内の天然歯周囲の歯周病の細菌組成と同じである』(クイルネンの報告)という報告があります。 つまり天然歯の歯周病菌はインプラントにも感染する、歯周病菌が残っていると、インプラント周囲炎発生のファクターとなり、サバイバルレートに大きく影響してくるのです。
 図2は歯周病に罹患した患者さんとそうでない患者さんとのサバイバルレートを比較したデータです。 特に予後5年を経過すると大きな差が生じていることがわかります。
 歯周病学の観点から言えば、歯周治療は完璧に行い、歯周ポケットが残っていない状態でインプラント治療に入るのが基本であろうと考えます。

図1〜2

Q :術前の診療、治療で留意する点を教えてください。

 和泉 近年の歯周治療においては、BOP(Bleeding on Probing)とPPD(Probing Pocket Depth)に基づき、歯肉の炎症等の評価を行い治療をするのが一般的です(図3)。 その評価のレベルに合わせ、口腔内の細菌をブラッシングにより機械的に除去する、スケーリング・ルートプレーニングにより歯肉縁下のプラークをとる、それでもポケットの深さが変わらなければ歯周外科治療へと、ステージに合わせた治療を行っていきます。
 なかでも5〜7?の深いポケットがあり出血もある場合は要注意で、歯周病菌がアクティブである可能性が高いと予測されます。 このような場合は、薬剤投与、歯周外科治療のステージの治療を行い、期間をおき安定を待ちます。
 口腔内をよく清掃している患者さんは一見、歯肉に炎症がないように見えますが、ポケットに探針を入れると出血がある場合もあり注意が必要です。 また最近、インプラントの禁忌とされる喫煙とインプラント残存率を調べた報告が発表されましたが(図4)、このデータでは喫煙者と非喫煙者のサバイバルレートに大差は見られません。 ただ喫煙者の場合、歯肉が貧血状態になっていて、感染に対する抵抗力が弱いなどの注意点があります。 特に高齢者においては基礎疾患を有する患者さんも多いですから、この点も留意が必要です。
 いずれにしても、中程度以上の歯周疾患でない限り、数回の通院で済むわけですから、良好な予後を得るための第一条件として基本的な歯周治療を大切にして欲しいと考えます。

図3〜4

 「定期検査」と「SPT」で長期予後を確立

Q :臨床においては歯周病の完治前に施術せざるをえないケースや、術後の罹患もあるかと思います。 予後の管理を含めたメンテナンスについて教えてください。

 和泉 インプラント植立前も後も、定期的な検査とメインテナンスが重要なことは言うまでもありません。 まず、検査で口腔内の状況を定期的に評価し(図5)、歯周病治療のステージに応じた治療を行います。
 検査の面で術前における検査と違う点は、インプラント周囲においてはプロービング時の出血(BOP)、深さ(PPD)による評価が適切でない点です。 その理由は、一般的なインプラントの周囲粘膜の特徴にあります。
?線維芽細胞が少ない
?コラーゲン線維の走行が根面と平行である
?血管の供給が骨膜からだけである
 近年、歯周病の予防管理において、SPT(Supportive Periodontal Therapy)という考え方があります。 これは米国で確立した概念で、治療の終了後も日常の適切なブラッシングを行うと同時に、積極的に歯科医院での定期的な歯垢や歯石の除去などを行い、歯科医療従事者と患者さん双方で歯周病などの再発予防をめざそうとするものです。 いわば安定期歯周病治療といえます。我が国でも本年4月の保険改正により、歯周病安定期治療が保険診療の適応になりました(図6)。 適応対象とになる患者さんのメインテナンスに活用したいものです。

図5〜6

AQBの歯肉との封鎖性の高さは感染防止に貢献

Q :AQBの支台部は、独自の技術により歯肉との親和性が高い点が特長です。 この強みは歯周治療にはどう生きるのでしょうか。

 和泉 まず、AQBインプラントはチタン表面の酸化チタン層の厚みが増加し、リン・カルシウム層が形成されることにより、歯肉との親和性・封鎖性向上の効果が期待でき、インプラント植立時の感染防止に大きく貢献すると考えます。 またこの特性が経年経過における感染防止に貢献することも考えられ、今後症例や研究を見守って行きたいところですね。 いずれにせよ、このAQB独自の特性を生かすには、術後の検査、SPTに重点を置いたメインテナンスを行えば、サバイバルレートがより良好になると考えます。
 インプラント治療の成否を左右する大きな要因の一つは、口腔全体の健全な環境です。 日本は予防の観点では決して進んでいるとはいえません。 しかしインプラント治療において長期にわたる良好な予後を得るためにも、一口腔を主体に考えた管理を患者さんとともに行っていくことが何より重要であり、この取組みがQOL向上につながるものと考えます。

※(1)大規模事業労働所従業員における肥満と歯周病に関する疫学検査、吉田幸恵ほか、第15回日本疫学学会学術大会ポスターセッションでの報告、2005

【AQBインプラント独自のバイオ技術■表面研磨、歯肉接着生体高親和性処理】
 歯科用インプラントに必要な条件は、骨が形成されやすくなる硬組織結合性だけではなく、歯肉とも接触するため、軟組織との親和性も重要であると考えられています。
 AQBインプラントは、再結晶化HAコーティングによる硬組織結合性だけではなく、軟組織親和性の面でもバイオ技術が活きています。
AQB独自の「表面研磨」「歯肉接着生体高親和性処理」により支台部表面の酸化チタン層を4nmから8nmに拡大、インプラント表層のカルシウム、リンの存在が歯肉との親和性・結合性に大きく貢献する他、アレルギー反応抑制にも効果を発揮します。

術部での細菌感染のリスクを低減

■PROFILE 和泉雄一 先生
東京医科歯科大学大学院博士課程修了。歯学博士。鹿児島大学歯学部教授などを経て現職。
近著(共著)に「インプラント周囲炎へのアプローチ」(永末書店)など。AQBの専門書でも歯周病の項をご執筆いただいている。

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